石油の地中海
ウィリアム・アラン・クルーズは自らの頭に発砲した。ルイジアナの漁船船長だった彼は、大西洋の底から流出し続ける原油のせいで仕事を失った。一方クラウディオ・スカイオーラ元大臣は姿を見せる頻度は減ったが元気である。彼らしい特徴あるインタビューはもう見れないが、相変わらず彼は無意識の自分の人生を生きているのである。ステファニア・プレスティジャコモ環境相は、時間があれば首都のおしゃれな通りでバッグや服のショッピングをしている。
スカイオーラとプレスティジャコモの大臣コンビは、この数年にイタリアで新しい95のボーリングの許可を与えた。71が陸地に、24が地中海に。私たちの海のボーリング面積はアブルッツォ州と同じ広さ、およそ1万1千平方キロである。石油会社はトレミティからシチリアの海岸まで、マルケ州やプーリア州の海岸から、エガディやパンテッレリーア島まで、イオニオからエルバ島のあたり、サルデニアのオリスタンまで、どこを掘ってもよい。イタリアの石油への、環境と観光の破壊への道のりはイタリアも含む世界の石油会社にとって耐え難い誘惑である。ほとんど黒い金を求める争いである。鉱山協会会長クラウディオ・スカルツィは「「投資とロイヤルティ、活気」をもたらす動きによって報われた初期の無秩序状態といってよいでしょう。」と説明する。私の知っているところでは、イタリアでは、事故の際に石油会社の責任は規定されていない。私たちの海岸の青い旗は、石油のように黒くなってしまうだろう。そして実際、そうなりつつあるのである。イタリアは、ヨーロッパの中で、海水浴が出来ない場所の数が一番多いのである。
チェルノブイリからメキシコ湾のBPプラットフォームの事故までのこの30年にイタリア人は変わった。原発事故の後は政治家も誰一人としてイタリアに原発建設を提案するなど、夢にも思わなかった。原発は国民投票で否決されたのだった。今日、石油で圧縮されているガスの巨大な地下爆発とそれによるアメリカ諸国全体の消滅といった予測のつかない結果を引き起こしかねない歴史最大の環境災害を前にして、スカイオーラとプレスティジャコモは地中海をボーリングし、イタリア人は、星のように、眺めているだけである。
by Beppe Grillo 17:35 エコロジー
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