無
ブラックホール
(1:16)
無が進行し、すべての空間を侵食する。最近は、過度の無について考えることさえ難しい。迷路の中のねずみのように空回りするばかり。
もし自然が空虚から逃げ出したとしても、私達がその空虚を無で満たしてしまったのではないか。「人々が希望を捨てて夢を忘れたために想像は死んでしまう。そのようにして無は広がった。私たちを絶望がとりまいているからだ。私は助けたかったが、無を信じないひとを指揮する方が簡単だからである(*)。」長年繰り返された無は、意味で満たされた現実となった。無が、君を取り囲み、君をはぐくみ、ゆりかごで揺らされて、君は気分がよくなる。無について話し合ことは、無の国の住人と話し合うことはできても、その他のことを話したいとおもう人は、狂人、無責任者とみなされる。無は、いたるところにある。
芝生、世代、将来を食いつくす。無は吐き出されることのないチューイング・ガムであり、永遠の現在である。思想と無は、民主主義と独裁のように、互換性がない。無は、思想の最も獰猛な敵である。 レイ・ブラッドベリーは、本を破壊する必要はないが、本を読ませないだけ、そして頭脳を消すことだけで十分であると言った。
テレビの、消費主義の、マフィアの、経済の、性の、文化の、社会の無、すべての無がいたるところで広がっている。無は麻薬のように、手に入れれば入れるほどほしくなる。魂のバリウム、知のモルフィネ。無からやって来た有名人たちは、私達の前で増殖し、無で満たされた彼らの話は私達の毎日の思想につきそう。私達の言葉に伝染し、私達のシナプスを壊す。このように無について話すのは最も簡単であるか?無を介して、各人は無であることなしに自分の重要性を感じることはできる。 もし無がトップ、大臣や首相または大統領に達したら、誰かになる必要があるから?
無の透明な薄い間隙の向こう側に、無を知らない別の人生がある。「多くの人が前世を覚えていると支持するが、私は反対に、現在の別の人生を思い出すことガあると言いたい。他の人が同じことを言ったと言うのを聞いたことはないが、私の経験は唯一でないと思う。たぶん、それについて話したいというのが私だけなのだろう」 と Philip K. Dickは言った。現世の私の別の人生? 無の貪欲さから免れた小さな思想は、それを分解し、腐敗させ、新しい世界と素晴らしい可能性への突破口を開けるため。私達に命令を出している無は、私達の投影にすぎない。それは私達が中に閉じこもっている風船だ。それに穴をあけて、飛び出すことを考えるだけで十分だ。最初は自分たちだけでも、ほかの人たちはそれに続くだろう。
(*) Mork da: "La Storia Infinita"
by Beppe Grillo 11:06 嘆きの壁
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